ママ看護師が無理せずキャリアアップする方法

「出産・育児で一度は職場を離れてしまったけれど、もう一度職場に戻ってキャリアアップしていきたい」そう考えるママ看護師は多い。ブランクを作ってしまったことで、それを引け目に感じる必要など、さらさらない。ブランクの間、あなたは育児をすべて夫や母親に任せて、ぼーっとしていたのだろうか。夜な夜な遊びに出かけていたのだろうか。

 

答えはNOである。あなたを必死で頼る子どもと向き合い、一生懸命、育児を行ってきたはずである。

 

そのような中でさらに、職場に復帰し、自分自身もキャリアアップしていこうとする姿は、子どもにとってなによりも自慢の母親となるであろう。

 

ただ、育児をしながらキャリアアップしていくには、独身時代と比較すると、自分時間も少なく、イライラしてしまうことが多くなる。そこで今回は、あなたらしく、自分時間を作り、キャリアアップしていく方法についてお話していきたい。

 

看護師のキャリアアップ法

 

まずは、「キャリアアップしていきたいのに、育児が妨げになっている」と考え、焦っていないか確認してほしい。育児休暇が終わって、馴染みの職場に戻ったとき、以前働いていた同僚がキビキビ動いている姿をみて、「どうしよう、抜かされてしまった」と思わなかっただろうか。

 

自分は体がなかなか動かず、いままで積み上げてきた経験が一気に崩れ落ちてしまった気がして、焦ってしまっていないだろうか。しかし、焦りからは何も生まない。焦って、選択したことで良い結果につながることはほとんどないからである。

 

ママ看護師がキャリアアップを考えるときに、独身の看護師と自分を比較してはいけないのだ。ママ看護師には、ママ看護師のやり方があるので、そちらを参考にしていただきたい。

 

ママ看護師がキャリアアップを実践していくためには、まずは「自分のやりたいこと・やってみたいこと」を優先することが大事である。あなたがこれをするとワクワクする気分になれるというものはないだろうか。その勉強をしてみるのである。

 

たとえば、「おむつ交換という単純作業を、相手に不快感を与えずに行うことができるか」「医療英語を勉強して、外国人が入院してきたときに対応したい」など、ちょっと仕事に関係しているものであれば、なんでも構わない。

 

もともと興味のあることだから、「面倒くさいな」「やりたくないな」といった気持ちは起こりづらい。

 

私の友人の事例

 

私の友人は「子どものおむつかぶれが激しくて、それをどうにかしてやりたいと思っていた。仕事に復帰してからは、おむつ交換をもっと快適に行えないか、考えるようになった。おむつ交換の技術を磨いて、子どもにも患者さんにも生かしていく勉強をしたい」と考えた。

 

最初はおむつに関する書籍から学び始めた。すると、おむつ交換一つとっても、奥が深いことが分かってきた。
業務としておむつを交換するのと、愛情をもっておむつを交換するのでは、患者さんとの信頼関係が全く異なってくることがわかってきた。そこで友人は「おむつフィッター」という資格を取ることにした。

 

友人におむつを替えてもらった患者さんはみな声をそろえて、「おむつを交換してもらうことに苦痛を感じなくなった」といっていた。「入院中はずっとおむつをつけたままなのだろうな」と思っていた患者さんのおむつが、その友人の働きで自立して排泄を行えるようになっていた。友人が興味をもって始めた勉強は、病棟で排泄ケアを一から見直すきっかけづくりとなったのである。

 

友人のうわさは他の病棟にも広まり、今では他の病院からも、友人の勤めている病棟へ「おむつ交換の技術」について学びにくることがある。そして友人は、子育てがひと段落すると同時に、看護副師長になった。

 

そこまでになれば、周囲からも認められ、「この職場に必要な人」という認識に変わるのである。特に子育て期間中のママ看護師は、「子どもがいることで周りから厄介者と思われないか」を大変気にする。しかしそれを逆手にとって、「子どもがいるからこそ、患者の気持ちを汲み取れるようになり、ある分野について学んでみようと思った」となれば、これほどの強みは無いのである。

 

今や何かについて「学びたい」という気持ちがあれば、どこにいても学ぶことができる世の中であるといえる。
テレビやラジオの通信講座、放送大学、書籍、DVD、オーディオブック、動画講座、勉強会など、学ぼうと思えばいくらでも学ぶことが可能なのである。

 

あなたがやる気にさえなれば、子育てをしながらでも4年制大学卒業と同程度の学士も取得が可能なのである。

 

スキマ時間を活用する

 

小さなことから始めるので構わない。まずは、スマホを鞄の中にしまって「この時間は空いているな」「ちょっと気分転換を兼ねて、この本を読んでみよう」といったことをしてみる。興味がでてきたのであれば、次の本を読んでみる。さらにもう一歩、通信講座に申し込んでみる。

 

そうすると「空き時間って思っていたより、結構あるんだな」ということに気づかされる。平成27年度の総務省の「主なメディアの平均利用時間」によると、30代でテレビの視聴時間が142.4分、テレビの録画視聴時間が20.3分、ネットの利用時間が105.3分となっている。合計すると1日に267分、時間に換算すると4時間以上テレビやネットを利用していることが分かる。

 

テレビやスマホもときには気分転換になるし、ニュースをしっておくことも大切である。しかし、4時間のうち、1時間でも自分磨きの時間に利用してみるというのはいかがだろうか。

 

「無駄だ」と思うことでも勉強していると、ある日突然「あのことを勉強しておいて良かった」ということも出てくる。子どもに投資することも大切だが、自分に投資をしてほしい。自分の能力を信じてくれるのは、自分のみなのだ。

 

自分のことをずっと磨き続けようとする母親をみて、子どもはカッコいい、自分も見習いたいと思うであろう。それこそが親の背中をみて子どもが自立した人間として育っていく育児の本質なのではなかろうか。焦らず、着実に、素敵なママ看護師として、あなた自身も成長していってほしい。