新人看護師が陥りやすい人間関係の悩みと対処法

看護師の夢を抱いてはりきって入職したものの、現実とのギャップについていけずに、悩んでいる人も多いのではないだろうか。実は、看護師が退職する大きな理由の一つに、人間関係がある。

 

「まさか自分が人間関係の悩みに遭遇するとは思ってみなかった」「看護師という職業は人の命を守るところだから、まさかイジメなんてしないだろう」と思ってしまうのだが、看護師だからこそ、人間関係やイジメがあるといっても過言ではないのである。

 

看護師だから人間関係で悩みやすい理由としては、「女性の多い職場である」「仕事がハードであるにも関わらず、人手が不足している」「看護学校で教える技術と、実際に現場で覚える技術数には大きな違いがある」「新人看護師は使えないという認識がまかり通っている」といったことが挙げられる。

 

女性が多い職場であると、困ることは多いのは確かだ。陰険で悪質な女性特有のイジメが横行している職場もある。人の生命に関わる責任のある仕事なのに人手が足りずに、気持ちに余裕がなくなることもあるだろう。看護学校では、30くらいしか技術について教わらないのだが、実際現場に出ると、看護師が行う技術は150以上あるという。これらの技術を先輩看護師は仕事の合間をぬって新人看護師に教えなければならない。

 

このような状況のなかで、新人看護師が失敗をしてしまったら、精神的に余裕のない先輩看護師はストレス解消につらく当たってしまいやすくなる。私自身も新人看護師のときはさんざん先輩看護師に泣かされてきたにも関わらず、いざ教える立場になると「え!何度も教えたのに、まだ覚えていないの?まぁ、何度も教えるけど、時間が勿体ないなー」と思ってしまうことはある。

 

このようなときに、新人看護師と先輩看護師との間に、ちゃんとした人間関係が確立されていれば、人間関係で悩む必要は少なくなり、仕事もそのうち覚えて、気づけば3年目ということになれる。この人間関係だが、どのようにして築いていけばよいのであろうか。そのコツについて、お話したい。

 

1. 挨拶は先手必勝

 

当たり前のことであるが、挨拶は新人であるあなたからすることが大切である。あなたが元気よく爽やかに「おはようございます」とあいさつをしても、なにも反応が無かったり、元気なく小さな声で「あ、おはよ」と義務のように嫌々いったりする人がいる。しかし、そのような態度を取られても、こちらは「いつも元気よく丁寧に」が基本である。

 

挨拶をしても反応が悪い相手には、こちらも不機嫌に挨拶をすればいいのではないか、と思う人もいるだろう。しかし、そういう相手に限って、実は新人看護師からされる挨拶について気にしていることが多いので注意が必要だ。

 

耳をダンボのようにして、この新人看護師は自分にどのような挨拶をしてくるのかで、人間関係の構築をどのくらい深めるか、決めてくるのである。不機嫌な挨拶しかできない人はその人の問題であって、あなたの問題ではない。あなたはあなたらしく、元気に爽やかに誰にでも挨拶をすればいいのである。

 

無視されても、あなたが元気よく挨拶をする姿を見て、周囲の人は「無視されるのに挨拶して、あいつは気持ちが悪いな」と思われることはまずない。「無視されても元気よく挨拶をする礼儀正しい新人看護師」として周知される。これはあなたにとって、得なことであるはずだ。

 

先輩看護師に挨拶をされる前に、必ずあなたのほうから先に挨拶をして、相手や周囲にすがすがしい気持ちになってもらうことを心掛けることが大切なのである。

 

2. 人の気持ちはいつも移り変わるということを知っておく

 

あなたの周りに「昔は大嫌いで口もきかなかったけれど、ふとしたことがきっかけで、親友になった人がいる」、反対に「昔は大親友だったけれど、ちょっとしたことが原因で今は疎遠になった人がいる」ということはないだろうか。

 

そうなのである。もし、あなたが新人看護師だからとやや職場で邪魔者扱いされていたとしても、それは永遠に続くことは無い。

 

新しい人が入ってくれば、周囲はそちらに気を取られて、あなたという新人に興味をもたなくなる可能性もある。嫌われていたとしても、ずっと嫌われていることはない。反対に好かれていたとしても、ずっと好かれている補償もない。

 

人の気持ちはずっと同じということはない、ということだ。いまの状況だけを考えて、悲観したり楽観したりする必要はないのである。いつかその状況は変わってくる。それまで傍観して、冷静にいることが大切だ。

 

3. 先輩に好かれるより、信頼されるようになれ

 

人の目の色ばかり伺う新人は、どうしてもいじめられやすい。動揺する姿をみるのが、たまらなくストレス解消になるからだ。ではどうしたらいいのだろうか。

 

「好かれたい」と考えるより、「信頼されたい」と考え、目の前にある仕事を丁寧に、かつ的確に行えるようになることが大切である。先輩看護師に好かれたいことを第一に考えている新人看護師は、看護の優先順位がずれていることが多い。

 

あなたは先輩看護師に好かれるために看護師になったのか、それとも看護の仕事を行うために看護師になったのかをじっくり考えてみることが大切である。看護師として、あなたに安心して患者を任せられるという人のほうが、長い目でみれば、信頼がおけ、自然と好かれる看護師になっていくのだ。

 

その場だけで、いろいろ悩んだり不安になったりすることなく、もっと先のことを見つめて、人間関係のことは考えていくほうが賢明だ。看護師だけでなく、どのような職場で働いたとしても、人間関係はつきものである。しかし、そればかりを考えてしまっては、自分自身が縮こまってしまい、自分らしく働けなくなってしまう。

 

とりあえず、いまの状況を置いておき、あなたは「あなたができること、たとえば挨拶をしたり、目の前の仕事を完璧にこなしたり」をすることが大切である。

 

それでも状況が変わらず、陰険で陰湿な人間関係が続くようであれば、そのとき始めて「転職」を視野に入れて行動してみたら良いのではないだろうか。